プロも認める画質と軽快さ!『OM SYSTEM スタンダードレンズ被写体別セレクトガイド』レンズ解説編
はじめに
マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼カメラは、フルサイズセンサーより小型の高画質センサーを採用することで、軽量かつコンパクトなシステムカメラを実現しています。またマイクロフォーサーズ規格を採用したカメラおよびレンズは複数のメーカーから発売されており、共通規格であることから異なるメーカーのカメラとレンズであっても組み合わせて使用できます。これによりカメラメーカー独自のレンズマウントを採用するカメラよりも、マイクロフォーサーズマウントは使用できるレンズの選択肢が豊富であるというメリットがあります。
そこで今回の企画では、現在手に入れられる多くのマイクロフォーサーズ用交換レンズのなかから、OM SYSTEMが展開するスタンダードレンズについて、実際に撮影した画像をご覧いただきながら、その特徴をご紹介させていただきます。
マイクロフォーサーズユーザーが選べる二つのレンズグレード
OM SYSTEMはマイクロフォーサーズ規格のカメラとレンズをこれまでに多く発売してきました。2026年8月現在カメラは7機種(天体写真撮影用2機種を含む)、交換レンズは広角から望遠レンズ、マクロレンズまで31本のレンズが幅広くラインナップされています。ユーザーはこれらのなかから被写体や撮影環境に合わせて自在にカメラとレンズを選ぶことができます。さらにOM SYSTEMの交換レンズには一般的な撮影に適した「スタンダードレンズ」と、よりハイグレードな「PROレンズ」のふたつのシリーズが用意されており、ユーザーは自身が求めるグレードのレンズを選ぶことができます。
PROレンズシリーズはマイクロフォーサーズセンサーを搭載したデジタル一眼カメラが持つ高画質を余すことなく引き出すレンズ性能に加えて、高速なAF性能、水滴や砂埃などにも耐える防塵防滴性能などを実装することで、プロ写真家の高い要求にも応えられるモデルとなっています。一方、スタンダードレンズシリーズは初心者から中級・ハイアマチュアの幅広いユーザー層を想定したオールマイティーなモデルと位置付けされており、高い基本性能に加えてマイクロフォーサーズ機が得意とする小型軽量なカメラシステムの構築を重視した設計となっています。これによりカメラを軽快に持ち運び撮影を楽しむのに最適なレンズシリーズとなっています。
マイクロフォーサーズの理念を込めたスタンダードレンズシリーズ
現在OM SYSTEMのデジタル一眼カメラには、EVFファインダーを搭載したOM/OM-DシリーズとEVFファインダーを省いたPENシリーズの二種類が用意されています。特にPENシリーズのカメラは小さな箱型のボディとなっており、マイクロフォーサーズの理念のひとつであるシンプルさを前面に出したカメラとなっています。
ここで少しマイクロフォーサーズ規格の成り立ちについてお話ししておきましょう。マイクロフォーサーズ規格はそれまでデジタル一眼レフカメラ専用の規格として、2003年にオリンパス、イーストマンコダック(いずれも当時)が中心となって策定されたフォーサーズ規格を、2008年にミラーレス一眼のための拡張規格として、オリンパスとパナソニックにより新たに提唱されたものです。
オリンパスが2009年に発売した最初のミラーレス一眼カメラは、世界最小・最軽量を謳った「オリンパス・ペン E-P1」でした。このカメラはかつてオリンパスが1959年から1980年代前半にかけて発売していたハーフ判フィルムカメラ「オリンパス ペン」シリーズをモチーフにして、デジタル一眼カメラとして新たに生みだされた製品です。オリンパス・ペン E-P1は一眼カメラでありながら大胆にもファインダーを省き背面モニターのみで撮影を行うことで、現在のPENシリーズのスタイルを確立した革新的なカメラとなりました。

オリンパス・ペン E-P1の発売に伴い、マイクロフォーサーズ用レンズとして発売されたレンズシリーズが現在のスタンダードレンズシリーズの始まりとなりました。つまり現在のOM SYSTEMのマイクロフォーサーズレンズはスタンダードレンズシリーズから始まったと言っても構わないでしょう。
その後、EVFを搭載したOM-D E-M5が2012年に発売され人気となったこともあり、それまで主流であったデジタル一眼レフカメラからミラーレス一眼カメラへの移行が各カメラメーカーを巻き込む形で進みました。その結果、現在ではほぼ全ての一眼カメラがミラーレス一眼カメラへと置き換わっています。
なおPROレンズシリーズ最初のレンズは2013年に発売されたM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROでした。このレンズとオリンパスの最上位デジタルカメラOM-D E-M1の登場により、ミラーレス一眼カメラはプロ写真家の要望にも応えられるシステムとなったのです。
スタンダードレンズの特徴と選択するメリット
スタンダードレンズの一番の特徴は、とにかく「コンパクトで軽いレンズ」である点です。当初はオリンパス・ペン E-P1との組み合わせで使用することを前提に開発されたという経緯もあり、現在ラインナップされているスタンダードレンズの多くもペンシリーズのカメラと組み合わせることで、ミニマムなカメラシステムとなるようにデザインされています。なおスタンダードレンズはペンシリーズのカメラのみではなく、同じくOM SYSTEMのOM-D/OMシリーズのカメラはもちろん、マイクロフォーサーズ規格準拠のパナソニックLUMIXシリーズ、Blackmagic Designのシネマカメラ等でも使用が可能です(適合製品に限る)。





スタンダードレンズシリーズのもうひとつの特徴として、コストパフォーマンスの高さがあることも忘れてはなりません。先ほどご説明したように、OM SYSTEMにはこのスタンダードレンズシリーズとPROレンズシリーズが用意されていますが、このうちPROレンズはより高性能な製品となっていることから、スタンダードレンズと比較すると販売価格は高めに設定されています。一方、スタンダードレンズは比較的抑えられた価格帯となっており、カメラをこれから始めようとされる方や、カジュアルに写真を楽しみたいという方々にも手にしやすい製品です。だからといってレンズ自体の基本性能が劣っているということはありません。そもそもマイクロフォーサーズ規格の設計自体がデジタルカメラに最適化されたものであることからも、安心してスタンダードレンズを選ぶことができます。実際に我々プロ写真家も、PROレンズと同様にスタンダードレンズを選択し撮影を行なっています。
スタンダードレンズシリーズで撮影した作例

■撮影環境:F5.4 1/60秒 ISO320 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードNatural S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F11 1/200秒 ISO200 +0.3EV Psモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F8.0 1/250秒 ISO200 -0.7EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F5.6 1/250秒 ISO500 +0.7EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F5.6 1/200秒 ISO640 +1.0EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F9.0 1/320秒 ISO200 +0.3EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F8.0 1/60秒 ISO200 +0.3EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F6.3 1/250秒 ISO6400 -0.7EV シャッター速度優先モード WBオート 仕上がりモードNatural S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F11 1/320秒 ISO640 +0.3EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードNatural C-AF 連写 S-IS AUTO

■撮影環境:F8.0 1/25秒 ISO400 +0.7EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F10 1/250秒 ISO200 +0.3EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F5.6 1/320秒 ISO200 +0.7EV 絞り優先モード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F10 1/250秒 ISO200 +0.3EV Psモード WBオート 仕上がりモードi-Finish S-AF 単写 S-IS AUTO

■撮影環境:F10 1/400秒 ISO200 +0.7EV プログラムモード WBオート 仕上がりモードNatural アートフィルター:ヴィンテージIII S-AF 単写 S-IS AUTO
豊富な選択肢の中から被写体に合った最適なスタンダードレンズを選ぼう
OM SYSTEMのスタンダードレンズシリーズには、現在15本のレンズがラインナップされており、広角域から超望遠域までの幅広い画角を網羅しています。内訳としてはズームレンズが8本、単焦点レンズが7本(うちマクロレンズ2本)となっており、さまざまな被写体の撮影に対応が可能です。ただ同じ焦点域を持つレンズが複数あり、例えば望遠域をカバーするズームレンズだけでも「ED 12-200mm F3.5-6.3」「ED 14-150mm F4.0-5.6 II」「ED 40-150mm F4.0-5.6 R」「ED 75-300mm F4.8-6.7 II」「ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II」「ED 150-600mm F5.0-6.3 IS」の6本のレンズが存在しています。
これだけ多様な選択肢のなかからユーザーは自らの撮影に適したレンズを自在に選ぶことができるのは、とても嬉しいことではありますが、一方で最適なレンズを見つけ出すのもなかなか大変なことだと思います。そこでこの記事では三回に分けて、マイクロフォーサーズカメラ&レンズを長年使用している写真家である筆者が、撮影する被写体に合わせたおすすめレンズをセレクトさせていただこうと思っています。すでにマイクロフォーサーズのカメラ&レンズを使いこなしている方も、これから新たに試してみたいと考えている方も、ぜひご参考にしていただければ幸いです。

■カメラバッグ・ネックストラップ協力:WOTANCRAFT
■写真家:礒村浩一
広告写真撮影を中心に製品・ファッションフォト等幅広く撮影。著名人/女性ポートレート撮影も多数行う。デジタルカメラ黎明期よりカメラ・レンズレビューや撮影テクニックに関する記事をカメラ専門誌に寄稿/カメラ・レンズメーカーへ作品を提供。国境離島をはじめ日本各地を取材し写真&ルポを発表。全国にて撮影セミナーも開催。カメラグランプリ2016,2017外部選考委員・EIZO公認ColorEdge Ambassador・(公社)日本写真家協会正会員













